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金融フロントオフィス 2022年の転職市場(2)

金融フロントオフィス 2022年の転職市場
Submitted by Asif on

2022年に金融フロントオフィスで転職を考えている皆様に送る、転職市場見通し。

パート1では、2021年の求人動向を振り返りました。

今回は、現在の金融フロントオフィスの転職市場で需要の高いスキルについて聞きます。どのようなスキルや経験が今、高く評価されているのでしょうか?

前回同様、金融フロントオフィスの転職市場に17年以上携わっている当社シニアマネージャー、熊沢義喜に聞きました。

ー2022年の転職市場で需要が高いスキルとは?

一口にフロントオフィスといっても様々な職種があり、全てで通用する「高需要スキル」はないので、部門ごとに見ていきます。

  • 投資銀行部門(IBD):M&Aの基礎知識や業務経験。ジュニアバンカーの求人が多かったためです。競合の投資銀行の出身者は引く手あまた。更に候補者不足のため、銀行や監査法人・会計事務所系アドバイザリー会社(FAS)経験者にもすそ野を広げてサーチが行われています。
  • 次に、案件の提案・ソーシングを行うカバレッジバンカー・スキル。2021年はテクノロジー企業を担当するTMTセクター及び医薬品企業を担当するヘルスケアセクターの求人が目立ちました。
  • 資本市場部門:ECMのジュニアバンカー。
  • セールス&トレーディング部門:即戦力として通用するセールス・トレーディングの能力や実績が求められています。欠員補充の求人がメインのためです。
  • エクイティでは、株式セールストレーディング、株式調査のセクターアナリスト(特に自動車)が2021年は高需要でした。
  • 債券では、外債セールスの需要が目立ちました。
  • 商業銀行:キャッシュマネジメント経験を有するバンカー、そしてクロスボーダーディールを担当できるRMスキル。
  • 格付け会社:信用分析能力。
  • フィンテック:様々な技術や新興企業が採用をしていますが、特に活気があるのはキャッシュレス決済などのペイメント業界。ペイメント関連の業務経験やスキルがある方は大変有利な条件で転職を進めています。
  • プライベートエクイティ(PE):M&A経験及びLBOモデリングスキル
  • ヘッジファンド:財務諸表を埋めるモデリングスキルに加えて、日本株の株価を評価するケーススタディのプレゼン能力が重視されています。

ースキルの需給ギャップが生じている分野はありますか?

あります。2021年を参考に見ていくと、金融各社の採用ニーズに対して、転職市場で不足しているスキルは次の通りです。

  • 投資銀行部門:M&Aでは、クロスボーダー案件のオリジネーション能力。
  • 投資銀行カバレッジバンカーでは、日本語、英語に加えて中国語で業務が遂行できる人材は引く手あまたです。これには、ビジネスレベルでの会話能力に加えて、中国語での文書作成能力が含まれます。
  • 資本市場部門:ECMバンカーとして事業法人を対象としたオリジネーション能力を持った人材が足りません。
  • エクイティ分野では、エレクトロニックトレーディングにおいてシステムの知識とセールス能力を持ち合わせた人材が足りません。
  • 債券では、フロー及びノンフロークレジットの中央金法向けセールス能力、そして円債フロー商品を海外拠点ヘッジファンドに効果的にセールスできる人材が不足しています。
  • 商業銀行:インド市場でジャパンデスクを遂行できる能力。
  • フィンテック:シニアマネジメントとして営業+バックオフィス両方をとりまとめられる素養を持った人材が足りません。クレジットカード会社のビジネスモデルに関する知見や、ブランドマーケティングに明るい人材も不足しています。
  • プライベートエクイティ(PE):LBOモデリングスキルに秀でていて、かつ英語が堪能な人材が求められています。
  • ヘッジファンド:日本株ロングショートエクイティのインベストメントリサーチに秀で、特にテクノロジー及びヘルスケアセクターの分析能力が非常に高く英語が堪能な人材はすぐにオファーを手にすることができるでしょう。

―今、リスキリングが話題ですが、金融フロントオフィスではこうしたITスキルは求められているのでしょうか?

はい、金融フロントオフィスでも、デジタルへの対応といったITスキルを求められるケースは増えています。この動きは特にフィンテック分野で顕著です。

ーなるほど。やはりITやデジタルのスキルを磨くことで、転職を有利に進められる可能性はあるのですね。

パート3(最終回)は、気になる給与動向についてお伝えします。

パート3に続く)

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